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ポライト・ソサエティ

文化的アイデンティティ · 映画

ポライト・ソサエティ

原題Polite Society

『絶叫パンクス レディパーツ!』のクリエイター、ニダ・マンズールが放つ爽快なアクション・コメディ。スタントウーマンを夢見る女子高生リアが、愛する姉を謎の富豪との結婚から救い出すため、友人たちと前代未聞の強奪作戦に挑む。ボリウッドとカンフー映画が融合した、新時代のシスターフッド映画です。

監督
ニダ・マンズール
2023
地域
イギリス
上映時間
103分

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ニダ・マンズール監督の『ポライト・ソサエティ』(2023年)は、ボリウッドの華やかさとカンフー映画の疾走感、そしてジェーン・オースティン的な風俗喜劇をミックスした、南アジア系フェミニズムのエネルギーが爆発する痛快作です。スタントウーマンを夢見て日々撮影と「飛び蹴り」の練習に励む女子高生リア・カーン(プリヤ・カンサラ)。彼女にとって、芸術への情熱を失い、突然富豪との結婚を決めた姉リーナ(リトゥ・アリヤ)の変化は、単なる進路変更ではなく、何らかの邪悪な陰謀に思えてなりません。本作は、イギリスのパキスタン系コミュニティにおける「ポライト(礼儀正しい)」な期待を、文字通りの格闘アクションを通じて解体し、女性の自律性を脅かすものは、皮肉にも彼女たちを「守る」はずの家父長制的な伝統構造そのものであることを暴き出します。

本作で最も刺激的なのは、悪役である新郎の母ラヒーラ(ニムラ・ブチャ)の造形です。彼女は「内面化された家父長制」を最も奇怪かつ強固な形で体現しています。社会的地位を勝ち取り、成功を収めた彼女が、その権力を維持するために若い世代をコントロールし、服従を強いる姿は、伝統が個人の尊严を奪う冷酷なメカニズムを象徴しています。リアとラヒーラの対立は、単なる結婚をめぐる騒動ではなく、旧世代の「体面」と新世代の「反逆」との文字通りの決闘です。マンズール監督は、カンフー映画の言語を借りてリアの感情的な葛藤を具象化しました。彼女の飛び蹴りや特訓のシークエンスは単なるスタントではなく、沈黙を拒み、脇に追いやられることを拒絶する少女の叫びなのです。

結局のところ、『ポライト・ソサエティ』は、世界の「礼儀正しい」抹殺に対する唯一の防波堤としての「シスターフッド(女性同士の連帯)」を讃える物語です。リアとリーナの絆は物語の核であり、きらびやかな結婚の約束よりも強固な、泥臭くも激しい信頼によって結ばれています。結婚式を「強奪(ヘイスト)」すべき事件として位置づけることで、監督は伝統的なボリウッド映画のエンディングを鮮やかに塗り替え、ロマンチックな大団円ではなく、姉妹や友人たちの「一蓮托生」の連帯こそをハッピーエンドとして提示しました。女性にとっての真の財産は、内なる創造性の火花と、互いを守り抜く仲間たちである。本作は、時には「無作法(インポライト)」であることが自由への唯一の道なのだと、力強く、鮮やかに宣言しています。

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