デジタルフェミニズム · 論考
ラテンアメリカ・カリブの女性とデジタル参加
CEPALの報告から、通信環境だけでは解消しない格差を、所得、機器の配分、無償ケア、デジタル政策の関係で考える。
記事解析
Iliana Vaca-TrigoとMaría Elena ValenzuelaによるCEPALの2022年報告『Digitalización de las mujeres en América Latina y el Caribe』は、技術変化をラテンアメリカ・カリブ地域のジェンダー不平等に位置づける。副題が求めるのは、平等を伴う変革的な回復への緊急行動である。女性が技術に積極的かどうかだけでなく、参加に必要な資源と、その利益を決める権限を問える資料だ。
接続に加えて、時間と利用の主導権
報告は、アクセス、利用と技能、接続から得られる成果という三つの段階を区別する。世帯にスマートフォンや回線があっても、各人が等しく使えるとは限らない。男子の学習や男性の仕事が優先されれば、女性の利用は他者の都合に左右される。世帯単位の接続率では、内部の配分が見えにくい。
無償ケアは学習時間も制約する。子どものオンライン授業や家族の用事のために頻繁にネットを使っていても、自分の職業技能を育てる連続した時間があるとは限らない。他者のデジタル作業を担うことと、自分の選択肢を広げることは異なる。デジタルな自律には、機器だけでなくケアの組織の変更も関わる。
パンデミックが加速したもの
報告はオンラインへの移行を、雇用、公共サービス、小規模事業と結びつける。対面でできた活動がオンライン化すると、機器や技能、安定した通信を持たない不利益が大きくなる。低所得、農村、先住民、アフリカ系の女性には既存の不平等も重なるが、それぞれの経験を一括りにはできない。
フェミニズムの視点では、効率の改善と、利用者が新たに負担する時間や費用を同時に考えたい。オンライン手続きは移動を減らす一方、機器の準備や操作の理解、不具合への対応を世帯に任せる場合もある。これは接続率だけでは判断できない制度設計上の問題だ。
研修の先にある公共の責任
政策の章は、インフラ、デジタル教育、家庭内の資源配分、統治を関連づける。商業的な利益が強く影響するネット環境への説明責任も問う。技能を身につけても、ケアの配分や費用、機器の利用権が変わらなければ、それを生かす余地は限られる。
異なる時期や対象の研究を用いたパンデミック期の地域報告であり、現在の各国を同じ尺度で順位づける資料ではない。政策提言も事業の成功を証明するものではない。女性が決められることを増やしたのか、それともオンラインで担う作業を増やしたのか、という問いで読みたい。
『データ・フェミニズム』はデータによる可視性と権力の配分を、メキシコの無償家事労働勘定はケアの時間と推計価値を考える入口になる。指標を直接比較するためではなく、デジタル化を支える労働をたどるための組み合わせだ。
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