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ジェンダー平等 · 論考

地中海・黒海の漁業における女性

要旨

FAOとGFCMの研究から、漁業のバリューチェーン全体で女性が担う仕事と、公式データの欠落が排除を再生産する仕組みを考える。

FemRes / 2024年3月8日
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記事解析

地中海漁業総委員会(GFCM)とFAO漁業・養殖部門が刊行した本報告は、地中海・黒海の漁業のどこで女性が働き、なぜその貢献が記録から抜け落ちやすいのかを問う。地域の雇用推計に加えて、5カ国の関係者への質的インタビューを組み合わせている。著者らはこの推計を同地域初の包括的な全体像と位置づけるが、すべての漁業コミュニティや作業を網羅したセンサスではない。

調査は漁獲の前・最中・後の仕事を追う。女性は船舶や漁具の建造・整備、船上や岸からの作業、網の修理、漁獲物の洗浄・選別、加工・販売、会計に携わり、研究や漁業行政に従事する場合もある。しかし、こうした活動が漁業雇用として一貫して記録されるとは限らない。報告による推計では、地域の雇用のうち女性の割合は漁獲後の工程で38%、漁獲前で16%、漁獲段階で10%である。分母を取り違えないことが大切だ。これは各段階の就業者に占める女性の割合であり、全女性労働者が工程ごとにどう分布するかを示す数字ではない。

小規模漁業では、とりわけ女性の仕事が過少把握されやすく、船舶の外で行われる仕事もその一部だと報告は指摘する。データベースの記録漏れは、単なる技術上の不備ではない。女性の仕事を補助的なものに見せ、適正な労働条件や社会保障を求める根拠を弱め、資源管理の決定から女性の知識を遠ざけることがある。ただし、計測を改善するだけで権限が再分配されるわけではない。承認には、誰が組織し、交渉し、政策を形づくる場に参加できるかの変化も必要である。

混合研究法の強みは、地域推計が全体の傾向を示し、インタビューが集計値からこぼれる仕事や障壁を明らかにする点にある。同時に、調査の限界も見落とせない。5カ国の聞き取りをすべての沿岸地域の代表とみなすことはできず、雇用区分が捉えるのは既存の統計制度に記録された範囲に限られる。フェミニズムの視点からは、統計に女性を追加する方法だけでなく、誰が漁業労働を定義するのか、誰の知識が専門知として認められるのか、持続可能性政策が女性を意思決定者として迎えるのか、それとも未活用の労働力として扱うのかを問いたい。

本報告を、ラテンアメリカ・カリブ海地域のアグリフードシステムにおける女性についてのFAO報告や、女性の土地・生産資源に関する国連ガイドと併読したい。食料のバリューチェーンで見えにくい労働を結びつけながら、漁業固有の生態と制度の違いも保てる。FAO/GFCM報告書と公式発表を参照。

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