FemRes成長し続けるレビュー
性革命への告発

フェミニスト理論 · 書物

性革命への告発

原題The Case Against the Sexual Revolution

著者Louise Perry (ルイーズ・ペリー)

Louise Perry は同意と個人選択を倫理のすべてとする性自由主義を批判し、リスクのジェンダー化を示す一方、生物学的本質主義、婚姻中心の処方、クィアとセックスワーカーの視点の不足も検討を要する。

01

書評と読書案内

『性革命への告発』は社会を 1960 年代以前へ戻せと単純に求めるのではなく、現代の性自由主義を論争的に告発する。Louise Perry は避妊と合法的中絶を必要な自由と認めつつ、「成人が同意すればそれ以上の評価は不要」という倫理が、中立的選択の背後にある男女のリスク差を隠すと主張する。レイプ危機支援の経験、報道事例、社会科学、進化心理学を用い、ラフセックス、フックアップ文化、遍在するポルノは、多数の女性の性的自律より一部の高地位男性を利してきたと論じる。

八章の題名が立場を明示する。「性を真剣に扱え」「男女は異なる」「悪い欲望もある」「愛のない性はエンパワーしない」「同意だけでは足りない」「暴力は愛ではない」「人は商品ではない」「結婚は良い」。この率直さは主張を穏健に言い換える余地をなくすと同時に、二元的な構造も露呈する。Perry は、結果を気にしない「男性的」性行動の模倣を解放とする自由主義フェミニズムを退け、妊娠、身体的力、性暴力、コミットメント志向の平均的非対称が低関与の規範を不均等にすると考える。

最も強いのは、同意を必要条件としつつ道徳の十分条件ではないと区別する部分である。形式上の「はい」は、ポルノ的脚本、相手を喜ばせる圧力、年齢・経験差、関係喪失への恐れ、痛みを成熟の証とする要求のなかで生じうる。性行為中の窒息と「ラフセックス」の常態化を取り上げ、暴力がポルノ美学から親密さの衣装を借りる過程を示す。女性の判断を否定するのではなく、望まないことを表す語彙と退出条件を、渋々の同意より厚くせよという要求として読める。

Perry はリスク差を性差と進化した平均的選好にも基礎づける。妊娠を女性が負い、男性は平均して身体的暴力能力が高く、少数男性が非拘束的な性市場から多く得るという議論である。抽象的平等が同じ安全を意味しないという警告は有効だが、ここが最大の論争点でもある。集団平均は個人を予測せず、欲望は経済、人種化、教育、文化に形成される。生物が社会化を圧倒すると、記述は伝統的役割の処方へ変わり、トランス、インターセックス、非二元的な生は枠外へ追いやられる。

「人は商品ではない」のもと、ポルノ、売買春、商業的代理出産を、市場契約だけで自律を証明する発想への批判としてまとめる。豊かな買い手と経済的に脆弱な提供者の力の差、映像が欲望を訓練し産業が危険を消費される側へ移す点を問う。選択フェミニズムへの必要な批判だが、セックスワーカーの多様な証言、ハームリダクションの証拠、犯罪化による警察暴力は薄い。産業批判から単一法制へ直行すれば、周縁化された労働者に地下化、移民取締り、スティグマを増す危険がある。

最終的に長期的一夫一妻婚を、男性の機会主義を抑え育児リスクを共同化する最良の制度と位置づける。若い女性に性を遅らせ、パートナーのいる男性を避け、暴力的・ポルノ的脚本を拒むよう助言する。責任とコミットメントを性倫理へ戻す一方、婚姻がレイプ、経済依存、不平等なケアを内包してきた歴史を軽く扱い、クィア親族、非婚の共同ケア、合意的非単婚の責任形成を深く検討しない。住居、保育、所得、生殖の自律が公的に保障されなければ、婚姻を安全網にすることは構造問題の再私事化である。

方法面では統計、事例、個人的観察、進化的推論を移動しながら、その証拠の重みを常に分けてはいない。「性革命」も、避妊、中絶権、同性愛解放、ポルノ産業、出会い系アプリが不可分な一事業だったかのように統一されすぎる。階級と人種は十分展開されず、クィア、トランス、セックスワーカー主導のフェミニズムとの対話も乏しい。市場が解放語彙を奪う診断に対し、労働権、福祉、反暴力支援、プラットフォーム規制より尊厳、節制、婚姻という個人倫理を答えにしがちである。

したがってフェミニズム入門や行動規範ではなく「摩擦を生むテキスト」として読むべきだ。各章を、何を観察したか、どの証拠で原因を説明したか、そこから何を規範として導いたかの三欄に分け、段階を自動的に同一視しない。セックスワーカー権利、クィアとトランスの親密政治、障害者の性の正義、ポルノ労働研究、ケア経済と併読すれば、「自由と呼ばれる性秩序の費用を誰が払うか」という鋭い問いを保ちつつ、すべての女性の安全を一つの関係形態に閉じ込めずに済む。

読者の声

読者ノート

読後の考えや、さらに追いたい手がかりを共有してください。

ディスカッションに参加

コメント

コメントを読み込み中...

サポート

このコンテンツがお役に立ちましたら

FemResを支援