フェミニスト経済学 · 研究
離婚・Pacs解消後の男女の生活水準
Les variations de niveau de vie des hommes et des femmes à la suite d’un divorce ou d’une rupture de Pacs
フランスの税務データで、別離前後の変化と比較対象による推計を区別し、夫婦間の所得配分と税・給付の役割を検討する。
研究ガイド
同じ関係を終えても、経済的な結果はなぜ異なるのか。Carole Bonnet、Bertrand Garbinti、Anne Solazは、その問いを別離前の労働と所得の配分に戻す。2015年12月16日、Inseeの『Couples et familles』に掲載されたフランス語研究は、2009年に離婚またはPacsという民事連帯契約を解消した人の税務資料を分析する。女性の貧困を金銭管理の不得手で説明せず、家庭内の分業が関係終了時に生む非対称な負担を調べる。
生活水準は個人の賃金ではない
原文の定義と方法では、世帯可処分所得を消費単位で割り、共同生活の規模の経済を考慮する。この指標は個人の賃金でも、全員が実際に同額の金銭を管理している証拠でもない。住居費を共有することと、自分で資源を使えることは区別される。
分析は2008年と2010年の所得税・住居税資料を、2009年の別離を挟んで接続する。対象は異性の婚姻・Pacs関係で、最終標本は男性56,300人、女性64,400人。別離時20~55歳、2010年に新たな同居パートナーがいない人に限る。「パートナーがいない」は子どもとの同居まで否定せず、男女が元配偶者同士で一対一に対応するわけでもない。婚姻・Pacsのない同棲関係は対象外である。
前後の変化と反実仮想は異なる問い
税と移転を含めた平均生活水準は、別離前に比べ女性で14.5%低下、男性で3.5%上昇した。ただちに離婚が男性に利益を与えたとはいえない。職業経歴、景気、給付制度も変化するため、研究者は別離前の条件が似ていて関係を維持した人と比較する。
推計上、別離がなければ女性は約5.5%、男性は約6.5%上昇していた。論文は両変化の差から、別離に帰される損失を女性約20%、男性約3%とまとめる。比較の仮定を伴う反実仮想推計であり、無作為実験でも、現在フランスで離婚する全員に当てはまる固定値でもない。前後の平均と混同すれば、男女双方の状況を読み違える。
婚内分業が退出の費用になる
関係継続中に金銭所得の少なかった側は、別離後の損失が大きくなる傾向があり、その位置には女性が多い。一方が家事やケアにより多くの時間を振り向けていた共同生活が終わると、各自の所得を基盤に生活することになる。共同の取り決めが非対称な退出費用を生むのである。無給を貢献の欠如とみなしてはならない。所得に占める割合と労働の価値は別の問題だ。
公的制度も結果を変える。養育費などの私的移転、社会給付、税を順に加えると、男女の生活水準変化の差は縮まる。ただし給付は制度の基準から計算し、有資格者が全員受給すると仮定する。実際の援助を過大に見積もる可能性があり、個別の入金記録ではない。計算上の保障と実際の受給を分けることで、申請の障壁や未受給を問える。
一括払いの離婚補償金と、持ち家の帰属家賃は含まない。対象は別離後短期の生活水準であり、財産分配全体、生涯所得、関係の安全性ではない。経済損失は有害な関係に残るよう勧める理由にならない。退出が生活基盤の喪失を意味しないために何が必要か、という問いを提起する。
HirataとKergoatの性別分業論が労働の分離と序列を分析するのに対し、この研究は特定期のフランスで経済的な測定を行う。魯迅『ノラは家を出てからどうなったか』は、退出の決断とその後の暮らしを支える手段を別の形式で問う。歴史的論考と統計は互いを照らせるが、相互の実証にはならない。
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