職場の不平等 · 音声
自分だけのポッドキャスト
Un podcast à soi
証言、専門家との対話、文学の朗読を組み合わせ、恵まれた職場にもある性差別を問い直す。
リスニングノート
高い教育歴や立派なオフィスは、人の判断が平等に扱われる保証にはならない。Charlotte BienaiméがARTE Radioで制作する『Un podcast à soi』は、こうした矛盾を音声ドキュメンタリーと対談で扱う。個人の経験、専門的な分析、文学の朗読を照らし合わせ、一人の参加者にすべての女性を代表させない。題名は自分の空間を連想させるが、問われるのは静かな時間だけでなく、誰に生活を語り解釈する時間と立場があるかである。
恵まれた職場から始める
2017年10月4日公開の初回「温和な環境における日常的性差別」は40分14秒。制作側の紹介は、フランスの管理職、ラ・デファンスのオフィス街、大企業など、恵まれた職業環境に調査を置く。差別がオフィスにしかないという意味ではない。学歴、所得、近代的な組織があれば性別の序列は自然に消える、という都合のよい進歩の物語を揺さぶる設定である。
すでに平等だと自認する組織では、差別を受ける人がまず問題の存在を証明しなければならないこともある。傷つくことと、その傷を理解してもらえることは別である。この回を入口に、経験にどう名前が与えられ、誰がそれを説明する資格を持ち、なぜ問題を指摘する側が非協力的とされるのかを考えられる。これは番組の問いを広げる読み方であり、全参加者の発言を一括して要約したものではない。
クレジットにはFlorence、Pascale、Brigitte Grésy、Marie Da Silvaが登場し、Lola Lafon、Maya Angelou、Virginia Woolfの作品が朗読資料に挙げられている。経験談は傷つく状況を、専門的議論は制度を語る言葉を提示し、文学は怒り、尊厳、排除を別の位置から考える機会を与える。相互に照らすことはできても、すべてを同じ種類の証拠にはできない。
声が多様でも立場は同じではない
ドキュメンタリーと対談の組合せは、誰が問題を定義するのかにも目を向けさせる。職場の不平等は、影響を受ける人が自信を持って話す訓練だけでは解決しない。異議への組織の対応、昇進や雇用機会を握る側の権限、発言によって生じる関係上の費用も問われる。声を持つには、罰されずに使える条件が必要なのである。
この回の職業環境は同時に分析の範囲を定める。管理職の経験は、低賃金のサービス労働、移民労働、他国の職場を自動的に代表しない。高所得でも人種化や性別による障壁は消えない。文学者や参加者の立場の違いも、すべての女性を網羅した証明ではない。似た仕組みが異なる費用を生むことに注目するとよい。
Sara Ahmedの『Living a Feminist Life』と併読すれば、日常の出来事がどう制度上の問題となり、指摘した人自身が問題視されるのかを考えられる。Réjane Sénacのジェンダー理論をめぐる対談は、経験の命名を平等の公共的言語につなぐ。女性の貢献を認めることと、価値を繰り返し証明しなくてもよい対等な主体として扱うことは異なる。
別の形式で読み進める
- 書籍
フェミニストとして生きる
サラ・アーメッド
フェミニズム理論がいかに日常生活から立ち上がるかを実証し、「フェミニスト・キルジョイ(場の空気を壊すフェミニスト)」という存在の革命的な可能性を探求している。アーメッドは情動理論、クィア現象学、交差性フェミニズムを組み合わせ、フェミニストが問題を指摘することでいかに世界から疎外されるか、そして人種差別や性制別の壁に対処するための生存戦略をいかに構築するかを分析している。
交差的フェミニズム - 動画
「ジェンダー理論」は存在しない、だが語られている
Réjane Sénac
セナックの短い講演からフランスの「ジェンダー理論」論争へ。同じ話者の別の対談を合わせ、研究の多様性と平等、性別役割の相補性を考える。
特集をたどる
読者の声
聴取後の対話
心に残ったことや、次に聴くべき音声の手がかりを共有してください。
ディスカッションに参加
コメントを読み込み中...
サポート
このコンテンツがお役に立ちましたら



