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食料主権 · 論考

ラテンアメリカ・カリブ海地域の女性とアグリフードシステム

要旨

FAOの2025年地域報告を手がかりに、農業・食料分野で女性の参加が増えても、資源、ケア、意思決定の格差が残る仕組みを考える。

FemRes / 2025年5月20日
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記事解析

FAOの地域報告は、ラテンアメリカ・カリブ海地域のデータを用いて2023年の世界報告を掘り下げると同時に、「アグリフードシステムで働く女性」を一枚岩として扱わないよう促す。農村部の女性、先住民女性、アフロ系女性、若い女性では、土地、水、家畜、金融、技術、公共制度との関係が異なる。地域に焦点を当てる意義は、世界平均の陰に隠れがちなこうした関係を見えるようにすることにある。

この地域のアグリフードシステム労働者の36%を女性が占め、その女性の71%は加工、販売、マーケティングなど農業以外の分野で働く。14カ国のサンプルでは、食品製造の労働者の55%、貿易の52%が女性である一方、運輸では9%にとどまる。これらはバリューチェーンの異なる部門についての数値であり、農村女性全体を代表するプロフィールではない。また、農業労働を栽培だけに結びつける見方を問い直し、加工や流通も重要であること、より収益性や移動性の高い部門へのアクセスには偏りが残ることを示している。

報告が示す重要な区別は、「参加」と「権力」は同じではないということだ。過去20年間、ラテンアメリカ・カリブ海地域では農業活動に占める女性の割合が増えたが、生産資源への平等なアクセスや意思決定への同等の代表性には結びついていない。働く女性が増えても、無償の家族労働、不規則な勤務、収入を管理する権限の弱さ、家事・ケア負担の偏りは併存しうる。労働の数え方と、所有、安全、権限の分配のされ方は別の問題である。

FAOによると、中度または重度の食料不安におけるジェンダー格差は2022年に9.1ポイントで、2021年には11.5ポイントまで拡大していた。また、審査対象となった農業政策のうち、ジェンダー平等を明示的な目標とするものは26%で、差別的な社会規範、気候変動、レジリエンスを扱うものは15%未満だった。これは報告が分析した政策文書についての結果であり、各国の政策すべてに当てはまる数字ではない。女性を受益者として記すだけでは、労働を形づくる規則や制度を変えたことにはならない。

フェミニズムの視点からは、地域別の証拠を歓迎しつつ、「エンパワーメント」を生産性の向上だけに還元しないことが大切だ。安定した土地権、集団的な組織、ケアのための社会基盤、意思決定における実質的な発言権は、産出量に換算できなくても重要である。本報告をFAOの世界的なアグリフードシステム報告や、FemResのラテンアメリカ先住民女性の権利に関する記事と併読すると、地域傾向と各コミュニティ固有の歴史・要求を区別しやすい。FAO報告書と公式英語要約も参照してほしい。

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