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フェミニストの系譜、植民地の遺産、民主的未来

トランスナショナルフェミニズム · 書物

フェミニストの系譜、植民地の遺産、民主的未来

原題Feminist Genealogies, Colonial Legacies, Democratic Futures

著者M・ジャッキー・アレクサンダー, チャンドラ・タルパデ・モハンティ

労働、国家、性的自律、先住民主権、草の根組織から植民地の遺産が民主主義を形づくる過程を追う、国境横断フェミニズムの基礎的論集。

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書評と読書案内

『フェミニストの系譜、植民地の遺産、民主的未来』は1990年代、欧米経験から普遍的な「女性問題」を定義せず、資本主義、植民地支配、国民国家、具体的抵抗の関係から比較する国境横断フェミニズムを提示した。M. Jacqui Alexander と Chandra Talpade Mohanty にとって系譜とは、西洋中心から拡散する家系図ではなく、権力と闘争が歴史的に作られる過程を追う方法である。

第一部は労働、ナショナリズム、国家実践、植民地遺産を結ぶ。女性労働者は同じ世界生産に組み込まれながら、人種、国籍、賃金階層で分断される。脱植民地国家は国民統一を理由にジェンダーと性の要求を抑え、先進資本主義国家も移民・警察を通じ植民地統治を再生産する。「第三世界」と「西洋」は閉じた地理ではなく、相互依存する政治経済が共同生産する不平等な位置である。

バハマ観光経済の「エロティックな自律」は、性が文化的副題でないことを示す。国家は異性愛家族、観光消費、サービス可能な女性身体を開発戦略にし、規範外の欲望を処罰しうる。先住民女性の公民権と主権闘争は、個人平等だけでは土地と集合的政治存在を守れないと示す。抽象的市民だけを認める民主主義は、植民地占領と資源支配を放置して同化を解放と誤認する。

第二部はチカーナ・フェミニズム、黒人女性の性の系譜、監獄証言、国境横断映画からアイデンティティ、文化、知識を考え、身分を自然で純粋なものとしない。沈黙にも制度史がある。史料、医学、家族、メディアが、語れる性経験と可視的主体を決める。アイデンティティ政治の価値は境界固定でなく、国家、資本、文化が境界を作る過程を暴き連合を開く点にある。

最終部はジャマイカの Sistren、ハイデラバード女性運動、Women in Nigeria、南アジア移民の反暴力活動、Afro-Surinamese 女性組織を通じ、「民主的未来」を実践に置く。民主主義は選挙制度の終点でなく、共同文化生産、内部論争、反暴力、相互説明責任で学ばれる関係である。理論は組織経験に応答し、組織も内部の階級・人種・性権力を分析しなければならない。

時代の語彙は歴史化を要する。関係的に用いられても西洋/第三世界枠組みは、トランス、障害、気候移動、デジタル資本主義を捉えきれず、各事例の政治も変化した。章の理論密度も異なり、地理的広さは個別運動の継続研究に代わらない。後のブラック、先住民、クィア、廃絶主義的国境横断研究との併読が必要である。

持続的貢献は、連帯をリベラルな多文化包摂から区別した点にある。国境横断比較は、資本、国家暴力、植民史が各地をどう結ぶかを追いながら、地域組織の概念と目標を尊重する。FemRes には、制度が労働、土地、身体、知識の統制を再配分するか、周縁集団が既存秩序へ招かれるだけでなく自ら組織し未来を定義できるか、という民主主義の尺度を与える。

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