FemRes成長し続けるレビュー
私たちの立つ場所から

戦争と平和 · 書物

私たちの立つ場所から

原題From Where We Stand

著者Cynthia Cockburn

複数地域の女性反戦ネットワークを追い、ナショナリズム、男性性、人種主義、帝国が戦争を作る過程と平和運動内部の矛盾を分析する。

01

書評と読書案内

『私たちの立つ場所から』は、反戦女性を研究者に説明される事例ではなく、理論を生産する主体として扱う。Cynthia Cockburn はシエラレオネ、インド、コロンビア、セルビア、イスラエル/パレスチナと、西洋の帝国主義戦争に反対する国際ネットワークをたどり、参加者自身が位置をどう理解するかから戦争、ジェンダー、組織を分析する。

本書は「男は好戦的で女は平和的」という本質主義を拒む。暴力的ジェンダー秩序が軍事化された男性性を報い、それが階級、人種化、国民国家事業と結びつく過程を問う。女性も戦争を支持しうる。「女性として」組織することは生物学的宿命ではなく、共通しながら不均等な位置を政治力へ変える戦略である。

戦争国家への忠誠を拒むセルビア女性、絶対的敵意を拒むパレスチナとイスラエルの女性は、紛争線を越える連帯の必要と危険を示す。占領者と被占領者、市民と権利を奪われた者の非対称性を「双方論」で消してはならない。連帯とは差異を飛び越すことではなく、自集団の名で行われる暴力に責任を負うことである。

反テロ戦争に抗するネットワークや WILPF と国連の協働では、制度参加の成果と妥協が同時に見える。国際機関は言語、資源、政策への入口を与えるが、急進的要求を事業指標へ翻訳し、草の根労働を専門的平和構築に従属させることもある。

ナショナリズム、人種主義、資本主義、家父長制、軍国主義は競合する説明ではなく相互に強化する。戦争は平和の突然の中断ではなく、予算、国境、家庭分業、武器経済、敵の物語を通じて準備される。フェミニスト反軍事主義は爆弾だけでなく、それを合理的に見せる日常制度に抗う。

Cockburn は女性平和運動への政治的共感を明示しており、事例の代表性と研究者の位置は検討が必要である。非二元、トランス、クィアの反戦主体への言及も限られる。地域横断比較は構造を示すが、各紛争固有の植民地史と地域知に代わるものではない。

FemRes にとって重要なのは組織一覧より、平和政治を測る方法である。運動は内部の不平等を直視するか。国民的団結でフェミニスト批判を封じないか。帝国に反対しながら地域の家父長制を免罪していないか。「立つ場所」は、あらゆる反戦主張が具体的な権力位置から発せられることを示す。

読者の声

読者ノート

読後の考えや、さらに追いたい手がかりを共有してください。

ディスカッションに参加

コメント

コメントを読み込み中...

サポート

このコンテンツがお役に立ちましたら

FemResを支援