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反逆する売春婦:セックスワーカーの権利を求めて

ラディカルフェミニズム · 書物

反逆する売春婦:セックスワーカーの権利を求めて

原題Revolting Prostitutes: The Fight for Sex Workers' Rights

著者ジュノ・マック、モリー・スミス

セックスワーカー自身の手によって書かれた画期的な著作。セックスワークに関する主流派フェミニズムの語りに真っ向から挑戦し、セックスワーカーの権利運動のための理論的土台と政治的戦略を提示している。

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書評と読書案内

現代フェミニズム理論の激しい潮流の中で、ジュノ・マックとモリー・スミスによる『反逆する売春婦:セックスワーカーの権利を求めて(Revolting Prostitutes: The Fight for Sex Workers’ Rights)』は、学術的・政治的な風景全体を揺るがす雷鳴のように響き渡りました。2018年に出版されたこの画期的な著作は、セックスワークに関する主流のナラティブ(語り)を完全に覆すだけでなく、セックスワーカー自身の声を議論の絶対的な中心に据えました。これにより、当事者ではない人々によって主導されてきた長期にわたる政策立案や理論構築のあり方に根本的な挑戦を突きつけたのです。

著者たちのアイデンティティそのものが革命的な意義を持っています。ジュノ・マックは経験豊富なセックスワーカー権利活動家であり、ロンドンの団体で長年活動し、その雄弁な権利擁護と深い政治的洞察で知られています。モリー・スミスは学術研究者と実践者の二重の顔を持ち、グラスゴー大学でセックスワーク政策に焦点を当てた博士研究を行ってきました。二人のコラボレーションは、理論と実践の完璧な結合を象徴しています。生きた経験と強固な学術的基盤の両方を備えていることが、本作に類まれな権威と説得力を与えています。

本書の核心的な主張は、一見シンプルでありながら極めて議論を呼ぶものです。すなわち、「セックスワークの完全な非犯罪化こそが、セックスワーカーの安全と権利を守る唯一の有効な方法である」という主張です。この立場を裏付けるために、著者らは世界各地の異なる法的モデルとその実態を、包括的かつ詳細に分析しています。彼女たちは世界の政策を主に3つのタイプ――「完全犯罪化」、「部分的犯罪化(北欧モデルとして知られる)」、そして「完全非犯罪化」――に分類し。膨大な実証研究と統計データを用いて、それぞれのモデルがセックスワーカーの日常生活や安全にどのような影響を及ぼしているかを解き明かしています。

完全犯罪化モデルの分析では、こうした政策がいかにセックスワーカーを社会の周縁へと追いやり、法的保護も助けを求める手段もないまま、隠れた危険な環境での労働を強いているかを実証しています。さらに深刻なことに、犯罪化政策はしばしば人種差別や階級差別と結びつき、移民女性、有色人種の女性、貧困層の女性により大きな害を及ぼしています。著者らは具体的なケーススタディを通じて、こうした政策環境下では、セックスワーカーが顧客からの潜在的なリスクだけでなく、法執行機関による逮捕や訴追という絶え間ない恐怖にも直面しなければならないことを示しています。この二重の脆弱性が、搾取や暴力が罰せられることなく蔓延する土壌を作り出しているのです。

広く称賛されている「北欧モデル」に対しても、著者らは非常に深い批判的分析を加えています。このモデルは、性的サービスを購入する顧客のみを罰し、売る側のセックスワーカーは罰しないため、一見すると人道的であるかのように見えます。しかし、マックとスミスは詳細なフィールドワークとデータ分析を通じて、この政策が同様に有害であることを証明しました。顧客が法的なリスクに直面すると、彼らはより隠れた危険な場所での取引を要求するようになり、それがセックスワーカーの安全を直接的に脅かします。さらに、このモデルの背後にある「セックスワーク自体を有害で不道徳な活動と見なす」という暗黙の道徳的判断が、セックスワーカーへの烙印(スティグマ)を永続させています。北欧モデルの「需要を断つ(end demand)」というアプローチは、人々をセックスワークへ向かわせる経済的要因を解決できない一方で、労働そのものをより危険なものにしています。彼女たちは、フェミニズム的な意図があるとしても、この政策が実際にはセックスワーカーの安全と自律性を損なっている事実を露わにしました。この分析は、北欧モデルがいかに特定のフェミニストたちの利益に奉仕する一方で、当事者であるセックスワーカー自身による「何が自分たちの労働条件と安全を向上させるか」という評価を無視しているかを明らかにしています。

対照的に、ニュージーランドなどの「完全非犯罪化」された地域では、セックスワーカーの安全と労働条件が著しく改善されていることが指摘されています。これらの地域では、セックスワーカーは堂々と広告を出し、警備員を雇い、安全な環境で働き、危険に遭遇した際には自らが訴追されることを恐れずに警察に助けを求めることができます。この政策環境は安全性を高めるだけでなく、セックスワーカー自身の交渉力と自律性を向上させます。ニュージーランドの事例は、非犯罪化がいかに、セックスワーカーが労働条件をコントロールし、望まない顧客を拒否し、状況を改善するために集団で活動できる条件を作り出すかを証明しています。セックスワークを「犯罪」ではなく「労働」として扱う政策アプローチこそが、実際にその業界に関わる人々に最良の結果をもたらすことが、比較分析を通じて説得力を持って示されています。

本作の最も優れた理論的貢献の一つは、インターセクショナル(交差的)な分析を徹底していることです。著者らはセックスワーカー・コミュニティの内部に巨大な差異が存在すること、そして異なるアイデンティティが劇的に異なる経験やリスクをもたらすことを鋭く認識しています。移民のセックスワーカーは国外追放の脅威にさらされており、搾取に対してより脆弱で、助けを求めにくい状況にあります。トランスジェンダー、特にトランス女性のセックスワーカーは、しばしばより深刻な暴力や差別に直面します。有色人種のセックスワーカーは、セックスワークに伴う烙印だけでなく、人種差別の二重の抑圧に対処しなければなりません。この交差的なレンズを通して、著者らはセックスワーク問題を巡る主流派フェミニズム運動の盲点と限界を浮き彫りにしています。彼女たちは、多くの中産階級の白人フェミニストたちが、階級、人種、移民ステータスといった複雑な影響を無視し、すべてのセックスワーカーを一括りに「被害者」へと還元していると指摘します。こうした還元主義は不正確であるだけでなく有害です。交差的なアプローチは、異なる抑圧がいかに重なり合い、多重に周辺化されたセックスワーカーに特有の脆弱性を創り出しているかを示すと同時に、彼女たちが生存と抵抗のためにいかに洗練された戦略を発達させてきたかを明らかにしています。

著者らは「レスキュー(救済)フェミニズム」に対しても、非常に鋭く強力な批判を展開しています。彼女たちは、セックスワーカーを「救う」と主張するフェミニズムは、実際には父権主義的な態度と道徳的な優越感を体現しているのだと指摘します。救済フェミニストたちは、セックスワーカーを自律的な能力を欠いた被害者として描き、「啓蒙された」フェミニストによって「救出」される必要がある存在として語りがちです。このナラティブは、セックスワーカーから主体性を奪うだけでなく、彼女たちへの烙印を永続させます。さらに深刻なことに、この救済アプローチにはしばしば露骨な人種的・階級的バイアスがかかっており、異なる背景を持つセックスワーカーに対して白人中産階級の価値観を押し付けています。著者らは、救済のナラティブがいかに強圧的な介入を正当化するために利用され、それがセックスワーカーの生活を向上させるどころか、しばしばより困難にしているかを実証しています。法執行、入国管理、社会サービスなどの介入は、セックスワーカーにとっては往々にして「助け」ではなく「処罰」として経験されるのです。セックスワーカー自身の声と経験を中心に据えることで、彼女たちはレスキュー・フェミニズムがしばしば「救われる人」よりも「救う人」の利益に奉仕している実態を暴き出しました。

政治的戦略のレベルにおいて、本作はラジカルで包括的な社会正義のビジョンを提案しています。著者らは、セックスワーカーの権利運動は孤立して存在するのではなく、より広い社会正義の闘いと有機的に結びつくべきであると論じています。労働者の権利、移民の権利、住居の権利、医療の権利といった問題とセックスワーカーの直面する問題をリンクさせ、真に包括的で交差的な政治的枠組みを提示しています。このアプローチは、セックスワーカーの権利運動のための政治的同盟を拡大するだけでなく、他の社会運動にも重要な示唆を与えています。特に、入国管理政策とセックスワーク政策の密接な関係が強調されています。厳格な入国管理がしばしば移民女性を、セックスワークを含む非公式な経済部門へと追いやる一方で、セックスワーク自体が違法である場合、彼女たちは二重の法的リスクに直面します。したがって、移民のセックスワーカーを真に保護する政策は、入管法の改革とセックスワークの非犯罪化を同時に考慮しなければならないのです。この統合的な政策思考は、著者たちの深い政治的洞察を示しています。

理論構築において、本作は伝統的なフェミニズム理論に重要な挑戦を行いました。著者らは、セックスワークを単純に性的搾取と同一視する理論的前提に疑問を呈し、そうした二分法的な思考は現実の複雑さを捉えることができないと指摘します。彼女たちは、「自発的な成人のセックスワーク」と「強制的な性的搾取」を区別しつつ、その間に存在する可能性のあるグレーゾーンをも認識する、よりニュアンスに富んだ分析枠組みを提案しています。この理論的革新は、より詳細で効果的な政策立案のための土台となります。この枠組みは、単純な「被害者/主体(エージェント)」という二分法を超え、制約された状況下で人々がいかに主体性を発揮できるか、そして同時に構造的な不平等がいかに選択肢を制限しているかを認識するものです。また、合意という概念を単純な二者択一ではなくグラデーション(スペクトラム)として再概念化し、経済的な制約が性的自律性とどのように相互作用するかについての深い理解を提示しています。

暴力に関する分析も極めて深遠です。著者らは、セックスワーカーが直面する暴力は主に、セックスワーク特有の性質からではなく、烙印、周辺化、そして法的ステータスの不確実性から生じているのだと指摘します。セックスワークが地下に追いやられると、暴力は増加します。逆に、非犯罪化された環境では、セックスワーカーは顧客のスクリーニング、警備の雇用、同僚との共同作業など、様々な安全対策を講じることができ、暴力のリスクを大幅に軽減できます。この分析は、伝統的な因果論の論理を覆し、政策立案に新しい思考をもたらしました。暴力をセックスワークの必然的な結果と見なすのではなく、法的・社会的な文脈がいかに安全性を左右するかを実証したのです。犯罪化こそが、セックスワーカーを保護リソースから遠ざけ、脆弱な状況へと追い込むことで、暴力を可能にする条件を作り出していることを明らかにしています。

本作は世界的に広範な影響を及ぼしてきました。セックスワークに関する学術的な理解を変えただけでなく、政策立案者や活動家の思考にも影響を与えています。多くの国で、セックスワーカー権利団体が本書の主張を引用して政策改革を求める動きが始まっています。また、フェミニズム運動の内部でも重要な議論を巻き起こし、より多くのフェミニストたちがセックスワークに対する自分たちの態度や立場を再考するきっかけとなりました。これらの議論は、セックスワーカー自身の視点や要求を中心に据えた、より洗練されたフェミニスト的立場を形成する一助となっています。国際的な適用においては、複数の国での政策提言や、周辺化されたコミュニティを研究する際の学術的メソドロジー(方法論)にも影響を与えています。

方法論的な観点からも、『反逆する売春婦』は周辺化されたグループによる知の生産の重要なモデルとなっています。著者らは、政策によって直接影響を受ける人々こそが、その政策を分析・批判する上で最も適任であることを証明しました。彼女たちの研究手法は、参加型調査、政策分析、そして理論的批判を組み合わせており、独自の学術的実践モデルを提示しています。これは、より正確で有用な知を生産するだけでなく、伝統的な学術的権威構造をも揺るがすものです。参加型のアプローチは、研究がコミュニティに利益をもたらさないまま学術的なキャリア形成のために知識を搾取するのではなく、セックスワーカー自身の利益に確実に奉仕することを保証します。

国際的な比較研究についても、大きな貢献を果たしています。異なる国や地域の政策効果を詳細に比較することで、政策立案者に貴重な教訓を提供しています。法的テキストそのものだけでなく、法執行の実態、社会の意識、文化的背景なども考慮した包括的な分析手法は、政策研究の重要な参照点となっています。この比較アプローチは、似たような政策が異なる文脈でいかに異なる効果を持つかを明らかにすると同時に、異なる設定を通底する一貫したパターンを特定しています。

一部の批評家は、本書が非犯罪化に焦点を当てていることが、貧困、人種差別、ジェンダー差別など、人々をセックスワークへと追いやるより広範な構造的不平等に十分に対処していない可能性があると主張している。他の人々は、レスキュー・フェミニズムに対する本書の批判は妥当であるが、売春産業内での搾取や強制に関する正当な懸念を完全には認めていないかもしれないと示唆している。著者たちとその支持者たちは、構造的不平等に対処することと搾取に反対することは、セックスワーカーの権利を支持することと矛盾せず、効果的な反搾取の取り組みはセックスワーカー自身の声と戦略を中心に据えなければならないと主張して、これらの批判に応答している。

今日、『反逆する売春婦』はセックスワーク研究における最も重要で影響力のある著作の一つであり続けています。セックスワーカー権利運動に強力な理論的武器を与えただけでなく、フェミニズム理論全体の発展にも大きな貢献をしました。本作は、真のフェミニズムとは、最も周辺化されたグループを含むすべての女性の声に耳を傾けなければならないこと、そしていかなる姿形をしていようとも、あらゆる形態の抑圧や差別に対して闘わなければならないことを思い出させてくれます。世界のジェンダー政治がますます複雑化する現在、本書の意義はさらに高まっており、より公正で包括的な社会をいかに築くかを考えるための重要な洞察を提供し続けています。マックとスミスは、セックスワーカーの声と経験を中心に据えることで、周辺化されたコミュニティがいかに広範な政治的理解を変革し得るかを示しました。この本が残した永続的な教訓は、効果的な社会運動は当事者によって主導されなければならないこと、そして連帯とは、外部から解決策を押し付けるのではなく、周辺化されたコミュニティが自ら編み出した戦略に耳を傾け支持することから始まるのだ、という事実です。

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