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性別分業 · 研究

家族農業における女性の経営参画要因

家族農業における女性の経営参画要因 ―経営参画状況が異なる女性の事例分析から―

佐藤真弓は女性農業者8人の事例を比較し、農作業への従事と経営への参画を分け、学習・経営変化・家族関係・就農経緯を検討する。

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研究ガイド

家族の農場で働けば、その経営を決める権限も持てるのか。佐藤真弓の2023年の研究は、農作業への従事と経営参画を分ける。家族と農業を営む女性8人を比較し、聞き取りは2015年から2018年に実施された。全国の参画率の推計ではなく、意思決定が可能になる、あるいは阻まれる条件を探る研究である。

働き手と経営者の違い

分析は経営主、共同経営者、部門分担者を、主に指示された農作業を担う作業従事者から区別する。いつも働いているというだけでは平等の証拠にならない。経験と多くの労働を担いながら、事業、資源、自分の役割を決める余地を持たないこともある。事例は経営参加型6人、不参加型2人で、この数を日本の女性農業者全体の割合と取り違えてはならない。

比較するのは、能力形成・学習機会、経営変化、家族関係、就農経緯である。就農前の農業経験が後の経営参画に必ず結びつくわけではない。一方、農業以外の経験が販路開拓や多角化に役立つ場合もある。能力は、組織の条件と無関係に蓄積すれば自然に権限へ変わる資産ではない。

家庭の配置も経営の条件になる

多角化は新たな役割を作り、女性の技能を必要としうる。現状維持の経営では新しい参画の余地が乏しい。ただし、女性は追加事業を作って初めて発言に値するという話にはできない。誰が従来の仕事を定義し、なぜ既存の貢献が経営と認められないかを問う対照である。

世代間の生活配置、再生産労働、女性を後継者とみなす期待、世代交代の時期も影響する。家事責任や家族内の権限を変えず研修だけを増やしても、技能が意思決定権へ変わるとは限らない。家庭は経営の外の私的な背景ではない。

女性農業者ネットワークへの参加と、直ちに生じる経営効果も区別される。新しい認識や意欲を支えても、家庭内分業がすぐ変わるとは限らない。参加人数をエンパワーメントの最終成果にすると、可能性を実際の権限に変える難しい部分を飛ばしてしまう。

地域の担当者やネットワークを通じた事例選定は、全年齢、全経営形態を代表しない。比較は機構を考える助けになるが、各要因の独立した因果効果を算出するものではない。本人の意欲と、決めることを許されている範囲を分け、その関係を追う読み方ができる。

三重県の女性農業者の健康調査は経営権と休息・支援を結ぶ。Ackerの組織論は、家族経営にも職位、評価、権力配分があり、親族だから中立ではないことを考えさせる。

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