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女性の健康 · 研究

女性農業者の健康と職場の支援:三重県調査

女性農業者における女性特有の健康問題と職場の健康支援に向けた検討—三重県内女性農業者のアンケート調査から—

三重県の有効回答108件から、月経・更年期のつらさと農作業・家事・支援を考える。設問ごとの分母と回顧調査の限界も重要になる。

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研究ガイド

農場が家庭でも職場でもあるとき、休む必要を認めるのは誰か。磯山陽介・金子美樹・清野健の研究は、月経や更年期のつらさを、三重県の女性農業者の働き方に位置づける。『農村生活研究』68巻1号、17~26頁、2025年刊行の論文で、J-STAGEでは2024年11月に公開されている。女性が農業に向いているかではなく、農作業、家事、支援が異なる身体の必要にどう応えるかが問題になる。

有効回答108件は、すべての設問の分母ではない

論文によれば、調査は2021年9~10月に実施された。認定された農村女性アドバイザー108人に各3部を送り、同じ経営の女性家族・従業員にも協力を依頼した。配布324部に対して116件が戻り、有効回答108件を採用している。回答者の年齢中央値は59歳、95人は経営者・役員だった。全国の女性農業者からの無作為抽出ではない。

目立つ割合には分母の確認が欠かせない。表2の月経により仕事中につらかった経験78.3%は、当該設問の回答者83人を分母とする。更年期症状による64.6%の分母は96人である。いずれも「たまにある」と「毎回ある」を合わせた割合だ。108人全体の同じ割合が調査当日に発症していたという意味でも、臨床診断の割合でもない。全体標本、設問回答者、症状の経験者を分ける必要がある。

調査時には閉経後の人が多数を占め、過去の各年代を振り返る設問もある。回顧は記録されにくい長期の経験を残す一方、記憶や世代の違いによる偏りを含む。著者らもその限界を指摘する。一時点で複数の年代を思い返すことは、同じ人を何十年も追跡した縦断研究とは異なる。

休暇と、代わりの労働の両方を考える

年代別の回顧回答では、約6割が家庭・職場からの支援がなかったと答えた。支援は休暇が中心で、作業方法の変更は少ない。著者らは休息を否定しているのではない。誰かが休んでも作業量自体は消えないため、残る仕事の分担も組織する必要があると考える。

作業台の高さ、コンテナの大きさ、姿勢、温度条件などが改善の方向として挙がる。これらは実際の仕事を調整する提案であり、すべてを実験で検証した介入策ではない。女性の身体を標準的な労働者からの逸脱とみなすより、誰もが同じペースで働き続けられるという作業設計の前提を問うことができる。

表9の自由記述は権力関係を具体化する。月経痛で横になると夫や義父母から嫌味を言われたという回答や、夫も家事を、妻も機械作業をできれば交代しやすいという意見がある。健康知識の不足と労働分担は併存している。農作業を代わってもらえても、炊事、洗濯、ケアが残れば休息は始まらない。

健康支援を生産性だけの条件にしない

著者らは今後の方向を、健康の理解、精神的支援、つらさの緩和、性別役割分担の是正、労働全体の見直しに整理する。仕事の成果改善も理解を得る論拠にする。ここには検討すべき緊張がある。生産性への訴えが支援を促しても、休む権利が追加の生産量を示せる人だけのものになってはならない。この問いは研究から広げた解釈であり、測定された結果ではない。

アドバイザーのネットワークに結びつき、年齢が高く、経営者が多い標本は、若い雇用労働者、移動する人、臨時労働者を代表しない。農業が月経・更年期症状を引き起こすと証明したわけでもない。症状の経験と支援の組み方について、さらに調べる課題を提示している。

WHOの子宮内膜症概説は、痛みを真剣に扱うことと自己診断を区別する助けになる。HirataとKergoatの性別分業論は、作業が移っても調整と責任が移るとは限らないと問う。すべての不調を同じ病気に還元せず、医療と労働組織をつなぐ読書になる。

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