フェミニスト経済学 · 論考
フランスの年金とジェンダー格差
DREESの2024年公表資料から、2022年の年金格差を、本人の職歴による権利、遺族年金、生活水準の違いに分けて読む。
記事解析
DREESは2024年10月30日に『Les retraités et les retraites – Édition 2024』を公表した。公式紹介は2022年末までのフランスの退職データをまとめる。年金をフェミニズムの問題として読むには、受給の有無だけでなく、どの職歴や関係が給付を支え、一生の労働が個人の権利へどう変わるかを見る必要がある。
38%と26%の違い
フランス在住の年金受給者では、本人の職歴に基づく平均年金額は、該当する子ども三人以上の加算を含め、女性が男性より38%低かった。遺族年金を含めると差は26%になる。DREESは前者を賃金や職業期間の不平等と部分的に結びつける。給付の範囲が異なるため、両数値の差は一つの政策の因果的効果ではない。
集団の平均額であって、同じ賃金、職歴、制度条件を持つ個人同士の比較ではない。すべての女性が38%少ないとも、世帯の生活水準が同じ割合で低いともいえない。印象的な数値で説明を済ませる前に、比較対象の所得を確認したい。
保護と本人の権利
公式紹介では、遺族年金受給者の88%が女性である。配偶者の死後に所得を支える給付は、全体の年金格差にも影響する。そこから、婚姻関係を通じた保障と、自分の就業記録を通じた保障が、それぞれどのような経済的位置をもたらすかを問える。
これは遺族給付の価値を否定することではない。所得格差の縮小と個人の独立した権利の拡充は、ともに重要になりうるが、別々に考える必要がある。ケア、低賃金、職業の中断という背景からは、保険料記録へ十分に転換されない労働への保障も問える。ただし、統計がすべての原因を分解した結果ではない。
年金額と生活水準は別の指標
生活には世帯の他の所得、人数、支出も関わる。この資料から女性の貧困率や全受給者の日常を直接判断できない。名目額の増加と、物価変動を考慮した購買力も区別しなければならない。
対象が2022年までなので、2023年改革の実施後の効果を評価する資料ではない。職歴の差が退職後へ持ち越される過程を、定義された指標で考える入口であり、個人の受給資格を計算する手引きでもない。改革がどの権利を変え、誰に影響するのかを確認してから、対応する時期と対象の資料を探したい。
メキシコの無償家事労働勘定は無給の貢献を可視化し、『家事労働に対する賃金』は権利と拒否を議論する。国ごとの数値を直接比較するためではなく、労働の承認と所得保障の間の距離を考えるための配読である。
別の形式で読み進める
- 論文
家事労働に抗する賃金
シルヴィア・フェデリーチ
この古典的なマルクス主義フェミニストのテキストは、家事労働が資本主義的生産関係の中心にあるという真実を明らかにする。フェデリーチは、家事を女性の「愛の労働」として自然化することで、資本主義が大量の不払い労働を獲得していると論じる。家事への賃金を要求することは、この労働を制度化することではなく、それを政治化し、資本主義による女性の労働の搾取を暴くことである。
- 論文
共実体性と交差性:社会関係の絡み合いを考える
Elsa Galerand; Danièle Kergoat
Galerand と Kergoat は性、階級、人種を固定的な属性として数えるのではなく、集団を生み出す権力関係から考える。
フェミニスト経済学 · ケア経済
特集をたどる
読者の声
読者からの手紙
この記事への応答や、議論に加えるべき資料を共有してください。
ディスカッションに参加
コメントを読み込み中...
サポート
このコンテンツがお役に立ちましたら