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バーブシュカという現象:ロシアの高齢女性と老いの政治社会学

エイジズムとジェンダー · 書物

バーブシュカという現象

ロシアの高齢女性と老いの政治社会学

原題The Babushka Phenomenon: Older Women and the Political Sociology of Ageing in Russia

著者Anna Shadrina

シャドリナはロシアの高齢女性の生活史と文化表象から、ケア、階級、社会的な老いが自己の価値と自律をどう形づくるかを問う。

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書評と読書案内

人口高齢化の負担とされながら、次世代のケア不足を埋めることも期待される。この二つは矛盾しない。アンナ・シャドリナの本書は、同じ社会的仕組みの両面として捉える。高齢女性の労働は家庭と世代の連続性を支えるが、公的貢献でなく私的な愛情と解釈されがちだ。バーブシュカは親しみある文化的イメージ以上に、社会が割り当てる位置である。

2025年に英語で刊行された本書は、文化表象と生活史を組み合わせる。2016~2017年、60歳以上のロシア人女性への伝記的インタビュー37件を含み、23件はサマラ、14件は英国の都市で行われた。比較によってロシア人高齢女性を国境内の一つの暮らしに還元しない。質的社会学であり、全祖母の行動割合を推計する代表性のある調査ではない。

ただ老いていくことは誰に許されるのか

導論は高齢化を、ソ連崩壊後の福祉の変化と生殖の政治に位置づける。若い世代の仕事、住宅、保育が不安定になるほど、祖母の実際的・経済的支えは重要になる。扶養を必要とする退職者だけを数えれば、その人たちが逆に有償労働と家庭生活を支えることは見えない。従属人口という分類が、帳簿にないケアの移転に依存している可能性がある。

社会的な年齢は証明書の数字だけではない。家庭に退き、自分の必要を減らし、他者のためにいつでも働くべき人とされることが、ジェンダー化された関係をつくる。生理変化がその役割を自動的に生むわけではない。階級資源、家庭内の位置、国家の期待も関わる。年長者の異なる必要を認めることを、選択肢を先回りして閉じる理由にしてはならない。

エリザヴェータの話は、祖母を実の孫の世話係だけに限定する見方から離れる。近隣の物を修理し、実用的な技能によって価値を主張する彼女には、実の孫はいない。息子の元交際相手の子どもたちと祖母に似た関係を築くが、これは法的な養子縁組ではない。挨拶、贈り物、呼びかけが、血縁を越えた親密な帰属を形づくる。

意味のある仕事でも自律を制限しうる

隣人パウリーナとの比較には階級が表れる。元大学教授のパウリーナに対し、元工場労働者のエリザヴェータは日常の問題を解決する力を強調する。それは知識、地位、特権の差への応答である。どちらの人生が優れているかを判定する話ではない。ケアや有能さの自己表現は期待への服従だけでなく、尊厳を求める方法にもなる。

著者は、具合が悪くても深夜に近隣へ迷惑をかけたくないという彼女の語りも記録する。独立、配慮、自制を示す一方、必要を求めないことでしか価値を保てないのか、という問いも生まれる。強さだけを読めば恐怖が消え、受動的被害だけを読めば、関係を組み立て、自分を理解し、満足を得る行動を見失う。

本書は生活の連続性と意味を考えるために、存在論的安心という概念を用いる。ケアは自分が必要とされる感覚と次世代の安定を生むが、意味と拘束は共存する。祖母が不可欠だと称えても、断る、休む、別の計画を追う権利は自動的に得られない。価値ある労働が、常時呼び出せる人生にならずに済む条件が問われる。

だからといって家族関係をすべて搾取とする必要はない。祖母に似た関係で彼女が感じる喜びを、虚偽意識として暴く必要もない。相互承認には価値がある。ただし関係の意味は、資源や代替手段の検討に代わらない。必要なときケアを受けることと、どれだけ提供したいかは、別々に表明できる要求であるべきだ。

ロシアと英国の資料は、移住、階級、健康、家族構成が老いを変えることも示す。歴史的に形成された役割はロシア女性の天性ではない。調査時の年金や福祉の背景を現在の政策案内としても扱えない。質的な語りは関係の働き方を明らかにするが、全高齢女性が同じ人生を送る証明ではない。

公開版原書を『Caring Democracy』と合わせれば、家庭内のケア配分を市民権と公的制度の問題として考えられる。『Essential Labor』は世代間義務をケア労働全般につなぐ。他者を支え続ける人への感謝から、その人自身が必要とし、望む生活のための余地へ進む読書になる。

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