労働者の権利 · 論考
労働における暴力とハラスメント:ILO第190号条約
職場の建物や雇用契約を越え、予防、申立て、報復からの保護を結びつけるILO第190号条約。
記事解析
労働関係はオフィスの入口で終わらない。採用、研修、出張、メッセージ、雇用主の提供する住居にも、要求し、拒み、罰する力は続きうる。国際労働総会が2019年6月21日に採択した暴力及びハラスメントに関する第190号条約は、「労働の世界」という枠を用いる。第1条は性的嫌がらせだけでなく、身体的、心理的、性的、経済的損害を生じさせるおそれのある、容認できない行為、慣行、脅威を、単発・反復ともに定義へ含める。
第2条は、標準的契約の被雇用者だけでなく、研修生、実習生、見習い、ボランティア、求職者、応募者、雇用終了後の人も対象とし、公式・非公式経済を扱う。まだ仕事がないことや職を失ったことは、仕事に関わる権力の消滅ではない。採用機会や将来の推薦が拒否を難しくする場合もあるが、個々の侵害は身分だけで決めず、証拠を必要とする。
作業場所を越える仕事との関連
第3条は、業務関連の旅行、社交、通信、雇用主の住居、通勤を含む。被害を訴える人は、事件が正式な机の脇で起きたと証明する必要はない。雇用主宅に住む家事労働者や業務のメッセージグループで続く圧力は、場所と労働関係の重なりを示す。ただし、具体的な違法性は適用制度と事実による。
予防も礼儀の研修だけでは足りない。第9条は、雇用主の管理の程度に応じた措置を法律等で求め、合理的に実行可能な範囲で労働者と代表が方針やリスク評価に参加することを定める。仕事の組み立て、権力の不平等、申立てへの入口が問われる。被害を受けうる側への警戒訓練だけでは、組織が変えられるリスクまで個人に移してしまう。
第10条は、申立て・調査、外部の救済、支援、報復からの保護を結び、プライバシーと秘密保持の濫用も防ぐ。秘密保持は本人を守ることも、組織による沈黙の要求になることもある。違いは安全、選択、責任追及を強めるかにある。第5・12条の組織化、団体交渉、労働協約も、管理側からの行動規範だけにしない経路を示す。
支援と私生活の管理を分ける
第10(f)条は家庭内暴力の影響を認め、合理的に実行可能な範囲で仕事への影響を緩和するよう求める。収入、出勤、安全を、私事だから無関係と切り離せなくする。しかし、雇用主が親密な生活を支配する権限ではない。選択を尊重する労働条件と、保護を名目とした監視は異なる。
採択、批准、実施も別である。国際発効は2021年6月25日で、第14条は登録された批准と各加盟国の発効規則を定める。英国の2024年条約集に収録されても2019年公約の再録であり、新たな採択日ではない。第206号勧告も同じ批准を要する別条約ではない。普遍的目標を、あらゆる国で同じ手続を直接使える保証と混同できず、実施の評価には制度と労働者の経験が必要だ。
『Les Couilles sur la table』の職場ハラスメント対談は、仲間の承認と組織環境が越境行為を支える仕組みを考える。CEDAW一般勧告第35号は、国家の注意義務を住居、ケア、サービス、被害回復につなぐ。安全を個人の勇気や一枚の方針に縮めず、生計と発言権を失わずに害を拒めるかを問う併読になる。
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