労働者の権利 · 論考
南アフリカの労働市場に残るジェンダー格差(2025年)
Stats SA の2025年第2四半期データから、失業、労働力参加、インフォーマル雇用を区別し、学歴と家事責任による就業条件の違いを考える。
記事解析
「より多くの女性が経済に参加する」とは何を意味するのか。南アフリカ統計局(Stats SA)が2025年8月12日に公表した『Gender Gaps Persist in South Africa’s Labour Market』は、同年第2四半期の労働力調査(QLFS)を用い、失業、労働力参加、職業、雇用の保障を分けて考える。仕事を得ること、求職者の統計に入ること、保護のある仕事を得ることは同じではない。
失業率は有償の仕事がない人すべてを数えない
記事によると、2025年第2四半期の公式失業率は女性35.9%、男性31.0%である。分母はそれぞれの労働力人口であり、すべての女性や男性ではない。一方、15〜64歳の労働年齢人口の労働力参加率は女性54.9%、男性65.6%だった。参加は就業者と、求職し就業可能で公式の失業定義を満たす人を含む。仕事をすでにもつ割合ではなく、誰が労働市場に入っているかを測る。
公式の失業者に含まれなくても、家計の日常を支えている人はいる。「非労働力人口」という分類から、生産や負担がない、あるいは本人の意欲さえ変われば有償雇用に入れるとは推論できない。原文が指標を並べることで、統計上の境界と生活のなかの労働との距離が見えてくる。
学歴は重要だが格差をなくしてはいない
高等教育を修了した人(原文の graduates 区分)の失業率は女性15.0%、男性8.9%である。この学歴層全体の失業率は全国水準より低いが、男女差は残る。教育は機会をどう改善し、同じ大きな学歴区分でも女性はなぜ異なる状況に置かれるのか。二つの問いを同時に立てられる。
同じ職務、同じ経験をもつ人の採用結果を比べた数字ではなく、差の全体を雇用主の差別に直接帰すこともできない。専攻、地域の雇用、求職条件、ケアの配置を詳しく調べる必要がある。記事は教育を否定するのでなく、「資格を増やせば十分」という答えで調査を終わらせない。
参加率に家事責任と雇用の不安定さを隠さない
労働力に入らない理由として「家事」を挙げた人の88.2%は女性だった。分母はその理由を選んだ人であり、南アフリカの女性の88.2%が働いていないという意味ではない。回答された理由だけでは、状況が自発的なのか、サービス、世帯内の権力、所得に制約されるのかも決まらない。
参加率と一緒に読むことで、他者の就業を維持する家計労働を誰が担うのかを問える。ただしこれは制度分析の経路であり、QLFS が因果関係の全体を実証したわけではない。ケア供給、時間、労働条件を変えずに女性の参加だけを求めれば、適応の責任を女性に残しうる。
仕事がある場合も、働く場所と保障の有無を区別する必要がある。女性就業者の15.9%がインフォーマル部門で働くのに対し、より広いインフォーマル雇用は27.2%である。後者は個人世帯での仕事などや、関連する正式な保護を欠く雇用形態も含む。インフォーマル部門はすべてのインフォーマル雇用と同じではなく、どちらも女性人口全体に占める割合ではない。
就業者数から働く条件へ
この記事は2025年第2四半期の公式統計の解説であり、今日のすべての女性の状況でも、同じ女性の職業経歴を追跡する長期研究でもない。学歴、参加、保障を分けることで、利用できる機会、数えられない仕事、安定した保護をもたらさない仕事をより正確に問える。
メキシコの無償家計労働勘定は家事を生産として扱う別の統計方法だが、南アフリカの参加率に直接換算できない。AWID の家事労働者の権利に関する記事はケアを担う有償労働者に目を向ける。両者と読むことで、経済参加を市場への参入だけでなく、誰が時間を提供し、組織し、権利をもつかという問題に広げられる。
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