性暴力反対 · 論考
イスタンブール条約:処罰を超える責任
イスタンブール条約は、予防、支援、訴追、公的資源を結ぶ。暴力への対応を、制度が果たすべき責任から考える。
記事解析
なぜ被害を申告しなかったのかと問う前に、制度は何をすべきか。イスタンブール条約は、問いをそう反転させる視点を与える。欧州評議会の第210号条約は、予防、保護、訴追、連携した政策を一体として扱う。本項が扱うのは「女性に対する暴力及び家庭内暴力の防止及び撲滅に関する条約」のフランス語正文である。2011年5月11日は署名のために開放された日であり、特定の国の法改正日ではない。欧州評議会は欧州連合とは異なる組織だ。
保護には暮らしの条件が含まれる
第3条は、公私の場での身体的、性的、心理的、経済的被害を女性への暴力に含める。家庭内暴力には現在と過去のパートナーによるものが含まれ、同居は条件とされない。暴力を目に見える傷に限定することも、親密さを理由に公的責任から除外することも問い直される。第5条は、国家以外の行為者による暴力についても、予防、捜査、処罰、賠償に相当の注意を尽くす義務を定める。
制度の対応は刑罰だけでは尽くされない。第8条は財政・人的資源、第20条と第22条は一般的・専門的支援を扱う。法的・心理的援助、経済支援、住居、教育、就労へのアクセスも枠組みに入る。暴力から離れるには、生計の全体を組み直す必要があるかもしれない。家や収入を失わなければ使えない権利は、条文が明確でも行使しにくい。
特に重要なのは第18条4項である。サービスの提供を、被害者が訴追を求めたり証言したりする意思の有無に依存させてはならない。支援は訴追への協力の試験から切り離される。同条3項は経済的自立と二次被害の回避も求める。不信、屈辱、繰り返される負担によって、支援を求めた人に制度自体が新たな被害を与えることもある。
これは刑事責任を放棄するという意味ではない。特定の手続きを選ぶことで支援を得る資格を証明させないという区別だ。また条約だけでは、ある地域のシェルター、法的サービス、給付が実際に使いやすいかは分からない。利用可能性、連携、資源を実地に検討する必要がある。第4条の差別禁止は、障害、移住資格、性的指向、ジェンダー・アイデンティティなどを含み、アクセスの格差も検討対象にする。
同意、証拠、制度への問い
第36条は、故意に行われる同意のない性的行為の犯罪化を求める。同意は周囲の事情を踏まえ、自由意思から自発的に与えられなければならない。現在・過去の配偶者やパートナーに対する行為も対象になる。関係があること自体は継続的な同意ではない。別に第48条は、対象となる暴力について調停や和解などの代替的紛争解決を強制することを禁じる。強制の禁止を、自発的な対話やすべての調停の一律禁止へ言い換えてはならない。
第11条は、定期的な分類別統計と研究を、人口を対象とした調査の実施努力と結びつける。警察記録が示すのは特定の機関へ届いた事案であり、調査は申告されなかった経験も尋ねられる。両者の問いは異なる。申告件数の増加だけでは暴力の増加も保護の改善も証明できず、少ない公式件数も安全の証明にならない。証拠の作られ方も制度責任の一部である。
第66条はGREVIOによる実施監視も設ける。個別の刑事事件を裁く裁判所ではない。署名、義務の受諾、履行は別の段階であり、現在の参加状況、留保、国内手続きは国ごとの確認を要する。条約は制度を問い直す基準であって、どこでも基準が生活上の現実になった証明ではない。
フランスのVirage性暴力研究は、人口調査と、先に被害を名づけさせず行為を尋ねることの意義を具体化する。2015年のNi Una Menos宣言はアルゼンチンの運動から、住居、予算、連携した対応なしに形式的権利は何ができるのかと問う。異なる政治・法制度の比較であり、互換性や直接の影響を示すものではない。制度が誰を罰するかとともに、何を提供するかを検討できる。
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