デジタルな暮らしを誰が決めるのか?
検索、顔の画像、福祉の申請。その背後には、誰を可視化し、誰を排除するかを決める規則があります。『データ・フェミニズム』を起点に、分類、審査、予測、設計が日常へ入り込む過程をたどります。自動化を支える労働を誰が担い、どのようなコミュニティが参加、異議申し立て、拒否の権利を求めているのか。技術の未来は、今日の規則を変える権限にも左右されます。

今号の内容
30 件
書籍10

書籍 · 2020年3月
データ・フェミニズム
Data FeminismCatherine D'Ignazio and Lauren F. Klein権力分析、交差性、状況的知識、共同設計をデータ作業そのものに組み込む七つの実践原則を示す。『データ・フェミニズム』は、完成したアルゴリズムに「ジェンダーの視点」を付け足すための技術マニュアルではない。誰が知識をつくる権力を持つのかを検討する、政治的な方法論の書である。
02
書籍 · 2018年2月
抑圧のアルゴリズム
Algorithms of Oppression: How Search Engines Reinforce RacismSafiya Umoja NobleSafiya Umoja Noble は商業検索における黒人少女の汚名化を入口に、広告市場、プラットフォーム独占、知識分類がアルゴリズム的抑圧を作る過程を明らかにする。
03
書籍 · 2019年7月
テクノロジー以後の人種
Race After Technology: Abolitionist Tools for the New Jim CodeRuha BenjaminRuha Benjamin は「新ジム・コード」を通じ、技術設計や初期設定が人種的不平等を再生産し、監視や善意の修正として覆い隠す仕組みを考察する。
04
書籍 · 2018年1月
自動化される不平等
Automating Inequality: How High-Tech Tools Profile, Police, and Punish the PoorVirginia Eubanks福祉、住宅、児童保護の自動化を追い、データが緊縮を中立的な効率に見せ、貧困層への監視と排除を強める過程を示す。
05
書籍 · 2021年9月
スクリーンの裏側
Behind the Screen: Content Moderation in the Shadows of Social MediaSarah T. RobertsSarah T. Roberts は国際的な聞き取りから商業コンテンツ・モデレーションを可視化し、プラットフォームの自動性と安全が秘密化・数値化・外注された人間の判断に依存することを示す。
06
書籍 · 2017年1月
プログラムされた不平等
Programmed Inequality: How Britain Discarded Women Technologists and Lost Its Edge in ComputingMar Hicks (published as Marie Hicks)Mar Hicksは、女性が英国のコンピューティングを支えながら低い職位に閉じ込められ、分野の威信が高まると昇進の道から排除された過程を描く。
07
書籍 · 2020年3月
デザイン・ジャスティス
Design JusticeSasha Costanza-Chock影響を受ける共同体が設計を主導し、利益・所有・説明責任を再配分するためのデザイン正義の実践論。
08
書籍 · 2022年8月
AIの地図帳
Atlas of AIKate Crawford鉱物、エネルギー、不可視の労働、訓練データ、分類、国家監視を通じて AI を地図化し、知能の背後にある抽出と権力集中を示す。『AIの地図帳』はアルゴリズムや「機械は思考できるか」から議論を始めない。Kate Crawford は鉱山、物流、データセンター、倉庫、クラウドワーク、訓練データ、警察、軍事システムへ視野を広げる。
09
書籍 · 2020年9月
グリッチ・フェミニズム
Glitch Feminism: A ManifestoLegacy RussellLegacy Russellは、グリッチを人種化・ジェンダー化された身体分類への拒否として捉え、デジタルアートの可能性とプラットフォームによる捕捉を考える。
10
書籍 · 2019年4月
何もしない:アテンション・エコノミーへの抵抗
How to Do Nothing: Resisting the Attention Economyジェニー・オデル私たちの注意力が商品化され、効率性が唯一の価値基準となった現代において、あえて「何もしない」ことを通じて自己と繋がりの主導権を取り戻すための、静かなる革命のガイド。環境保護、政治的行動、そして個人的な幸福を、デジタル・デトックスを越えた視点から探求する。
映画3

映画 · 2020年1月
Coded Bias
Shalini KantayyaBuolamwiniの研究を追い、顔の分類、女性の専門知、技術の決定権を公的な問いとして結びつけるドキュメンタリー。
02
映画 · 2018年1月
The Cleaners
Hans Block; Moritz Riesewieckマニラの5人のモデレーターを通じて、判断と害の外注、利用者の表現、プラットフォームの説明責任を問う。
03
映画 · 2016年12月
ドリーム
Hidden Figuresセオドア・メルフィ1960年代、NASAの宇宙開発を陰で支えた3人のアフリカ系アメリカ人女性の知られざる実話。人種差別と性差別の二重の壁に直面しながらも、卓越した数学的才能を武器に、人類初の有人宇宙飛行という国家的な偉業に貢献した彼女たちの勇気と情熱が胸を打つ、感動のヒューマンドラマです。
動画3

動画 · 2017年3月
アルゴリズムは誰を認識するのか?Joy Buolamwiniが語るバイアス
Joy BuolamwiniJoy Buolamwiniは顔認識システムが自分を認識できなかった経験から「コード化されたまなざし」を論じ、誰が技術の基準を決めるのかを問う。
02
動画 · 2022年4月
女性の姿が見えなかったから、テックのコミュニティをつくった
Aishath Adnanモルディブのテクノロジー管理職Aishath AdnanがWomen in Tech Maldivesの立ち上げを振り返り、女性の可視性を島々の通信環境、教育、ケア政策と結びつけて考える。
03
動画 · 2019年7月
テクノロジーにおける女性の役割を取り戻す
Melina MasnattaMelina Masnattaは幼少期の贈り物から技術教育までをたどり、誰がテクノロジー分野へ進むよう促されるのか、学校や職場が何を変えられるのかを問う。
ポッドキャスト1
記事8
記事 · 2019年1月
フェミニスト・データ宣言:拒否とコミットメント
Marika Cifor, Patricia Garcia, and collaboratorsFeminist Data Manifest-Noは拒否とコミットメントを並べ、データが身体に結びつき不平等を再生産する仕組みと、実質的に「ノー」と言えるかを問う。
02記事 · 2016年8月
フェミニスト・インターネット原則(バージョン2.0)
Association for Progressive Communications (APC) and feminist contributorsAPCのフェミニスト・インターネット原則は、アクセス、表現、プライバシー、同意、ガバナンスを結び、技術が権力をどう配分するかを問う。
03記事 · 2022年10月
Not My AI:公共部門のアルゴリズム意思決定を問うフェミニスト・フレームワーク
Joana Varon and Paz Peñaラテンアメリカの公共サービス事例から、アルゴリズムが給付を配分しリスクを予測するとき、誰が問題を定義し誰が代償を負うのかを問う。
04記事 · 2020年10月
Free to Be Online?
Plan InternationalPlan Internationalの2020年報告を通して、15〜25歳の少女・若年女性が経験するオンライン・ハラスメントと、プラットフォームや政府の責任を考える。
05記事 · 2022年6月
ラテンアメリカ・カリブの女性とデジタル参加
Iliana Vaca-Trigo; María Elena ValenzuelaCEPALの報告から、通信環境だけでは解消しない格差を、所得、機器の配分、無償ケア、デジタル政策の関係で考える。
06記事 · 2018年12月
Troll Patrol:クラウドソーシングの証拠が明らかにした女性へのオンライン暴力
アムネスティ・インターナショナル、Element AIアムネスティのTroll Patrolを読み直し、クラウドソーシングが女性政治家・記者への人種化された攻撃をどう可視化したか、そして標本と推定の限界を考える。
07記事 · 2023年5月
オンラインの反ジェンダー平等:3か国の事例
UN Women Asia and the PacificUN WomenとQuilt.AIがバングラデシュ、インド、フィリピンの反フェミニズム言説を比較し、共通する戦術と地域差を検討する。
08記事 · 2026年4月
Tipping Point:AI時代のオンライン暴力は女性をいかに公共の場から追いやるのか
Julie Posetti、Kaylee Williams、Lea Hellmueller、Pauline Renaud、Nabeelah Shabbir、Nermine AboulezUN Women委託の2026年研究が、人権擁護者、活動家、女性ジャーナリストへのオンライン暴力を調べ、AI、オフライン被害、自己検閲を分析する。
論文5
論文 · 2018年2月
ジェンダー・シェイズ:商業性別分類システムにおける交差的正確性の格差
Gender Shades: Intersectional Accuracy Disparities in Commercial Gender ClassificationJoy Buolamwini; Timnit Gebru商用の性別分類を肌の型と性別の交差から評価し、全体正解率に隠れる誤りと分類自体の限界を検討する研究。
02論文 · 2016年10月
フェミニスト・データ可視化
Feminist Data VisualizationCatherine D'Ignazio and Lauren F. KleinD’Ignazio と Klein はフェミニスト認識論を可視化設計の問いへと結びつけ、分類・表現・参加・文脈・労働が誰の知を可視化するかを考察する。
03論文 · 2024年6月
AI のためのデータ・フェミニズム
Data Feminism for AILauren F. Klein and Catherine D'IgnazioKlein と D’Ignazio がデータ・フェミニズムを AI 研究に適用し、入居審査、フェミニストのデータ実践、不可視化された労働から権力・同意・環境負荷を問う。
04論文 · 2016年1月
交差的ブラック・フェミニスト技術研究の未来
A Future for Intersectional Black Feminist Technology StudiesSafiya Umoja NobleSafiya Umoja Noble は、検索における黒人女性の表象を、デジタル基盤を支える資源採掘・労働・廃棄と結びつけ、ブラック・フェミニズムからインターネット研究を問い直す。
05論文 · 1985年1月
A Cyborg Manifesto: Science, Technology, and Socialist-Feminism in the Late Twentieth Century
ダナ・ハラウェイこの影響力のあるエッセイは、機械と有機体のハイブリッドであるサイボーグというメタファーを通じて、フェミニスト理論を再構築している。ハラウェイは人間と非人間、自然と文化の間の伝統的な境界を批判し、親和性、アイロニー、技術的身体性に根ざしたポストジェンダー、ポスト本質主義的フェミニスト政治を提唱している。
