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ラテンアメリカのジェンダーとセクシュアリティ

ラテンアメリカ・フェミニズム · 書物

ラテンアメリカのジェンダーとセクシュアリティ

原題Gender and Sexuality in Latin America

著者クリスティーナ・モッタ, マカレナ・サエス

生殖の自律、財産、暴力、同性カップルの判例から、ラテンアメリカのフェミニスト法学と司法による平等の限界を読む。

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書評と読書案内

Cristina Motta と Macarena Sáez 編『Gender and Sexuality in Latin America: Cases and Decisions』は、スペイン語の判例集を改訂・抄録した英語版である。憲法が平等を自動的に実現するという進歩史ではなく、判決を、法的権威が市民権、家族、健康、財産、暴力に具体的な意味を与える政治の場として読む。Springer の目次は、市民権、家族、健康、財産、暴力、異性愛規範を越える家族、偏見に基づく暴力を扱う。編者によれば、事例は論証の質と各国での影響を基準に選ばれており、地域や国全体の司法傾向を示す標本ではない。この限定は重要だ。本書はラテンアメリカの裁判所を統計的に代表する地図ではなく、法的推論を精読するための比較可能な断面である。

市民権の章は、市民であることを二つの緊張として捉える。一つは平等、補償、解放を求める政治的願望、もう一つは帰属、アイデンティティ、文化的差異をめぐる境界である。実質的平等や積極的措置は、全員を同じように扱えば公正だという形式的な前提を揺さぶる。また基本権の水平的効力は、私人間の関係で一方が無防備な立場にあるとき、国家が介入すべきかを問う。フェミニスト法学が問うのは、介入が保護をもたらすかだけではない。誰を脆弱な主体と定義し、誰の経験を証拠として認め、文化的差異を権利として扱うのか、それとも既存の階層を保つ口実にするのか、という問題もある。

健康の章では、生殖の自律が抽象的な身体権ではなく、制度の中で争われる問題として描かれる。出版社の章概要は、強制不妊手術、医療提供者の宗教的・道徳的信念と生殖医療、人工妊娠中絶をめぐる患者の秘密保持と医師の通報義務の衝突、緊急避妊、青少年の「最善の利益」と発達に応じた自律の緊張を挙げる。法が一定の中絶を処罰対象外と定めても、通報制度や診療現場の裁量が法的不安定を生むことがある。「子どもを守る」という基準も、本人の判断を支える場合と、その意思を置き換える場合がある。身体は政治の外にある私有物ではなく、裁判所、診療所、職業上の義務、行政権力を通じて管理される場所として現れる。

財産の章は、所有権を土地、住居、家族内の労働へと引き戻す。女性のアイデンティティや母性が財産へのアクセスとどう結びつくかに加え、コロンビアの武力紛争による避難者への特別措置、住宅配分、農地改革における周縁化された集団間の優先順位を扱う。ここでは平等を象徴的な承認だけで測れない。権利主体として認められることは重要だが、土地の権原、住まい、生計、限られた救済資源の配分も同じく重要である。ある集団を優先する政策が過去の損害を是正する一方、別の集団を取り残すこともある。法の分類は不利益を記述するだけでなく、資源を配り、どの損失が補償に値するかを決める。

暴力の章は、刑事化が女性の解放につながるのかという難題を提起する。Springer の概要は、女性殺害や拷問としての強姦を、刑法の逆説と結びつけ、犯罪の定義、性暴力における力と同意、正当防衛の判断基準、被害者の行為を処罰することが女性の自律を制限する問題を取り上げる。刑法は被害に名前を与え、国家の責任を可視化できる一方、処罰権を拡張し、被害として認められるための条件を狭めることもある。「理想的な被害者」像に合う人だけが信頼され、決められた形で抵抗した証明を求められるなら、保護は新たな規律となりうる。異性愛規範を越える家族の章も、同性カップル、同性の親、養子縁組、親権を扱い、承認と同時に異性愛家族が親としての適格性や子どもの利益の物差しとして残る可能性を問う。

これらの章を貫くのは、法を社会関係の外に立つ中立的な審判ではなく、複雑な社会実践として見る視点である。裁判官は既存の規則を機械的に適用するだけではなく、解釈を通じて積極的な役割を果たす。だから判決は結論だけでなく、どのような主体、証拠、家族を想定し、どの歴史的・物質的条件を視野に入れたかによって読む必要がある。ただし判例集は、社会運動の歴史、地域の知識、権利の執行状況、日常の司法アクセスそのものではない。形式上の勝訴が、安全、収入、住居、医療、強制からの自由を自動的にもたらすわけではない。

2013 年刊の本書は、その後の中絶法制、婚姻、性別承認、反ジェンダー運動、地域政治の変化を更新するものではない。また裁判所を中心に据える形式ゆえに、街頭での組織化や権利の不均等な実施が見えにくくなる。価値は、地域全体を代表すると称することではなく、比較法的に問いを立てる道具を与える点にある。法はどこで公私の境界を引き、誰に保護を配分し、どの生を権利主体として理解可能にするのか。本書はフェミニスト法学への入口であると同時に、司法上の勝利を社会正義の完成と取り違えないための読解訓練でもある。各論点は出版社の目次・章概要と編者が示す事例選定の基準に基づく。 章ごとの概要:市民権、健康、財産、暴力、異性愛規範を越える家族は出版社の章紹介を参照。

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