土地の未来を決めるのは誰か?
土地には値段がつき、森林は開発される一方で、暮らしを支える労働は無償の背景とされがちです。『フェミニズムと自然の支配』を起点に、食、カースト、先住民族の主権、気候リスクを結びます。女性は生まれつき自然の守り手なのではありません。資源を管理し、さらなる負担を拒み、ともに生きる条件を決められるのか。30点の資料から、生態の問題を具体的な権力関係として考えます。

今号の内容
30 件
書籍10

書籍 · 1993年12月
フェミニズムと自然の支配
Feminism and the Mastery of NatureVal PlumwoodVal Plumwood は西洋哲学の支配的二元論を解剖し、人間/自然、理性/身体、男/女の区分が依存を統制の根拠へ変える過程を示す。『フェミニズムと自然の支配』は、エコフェミニズムの長年の難題に向き合う。西洋文化が女性を「自然」と結びつけてきたなら、フェミニズムはその関係を拒否すべきか、肯定的に取り戻すべきか。
02
書籍 · 2014年1月
エコフェミニズム
EcofeminismMaria Mies and Vandana ShivaMaria Mies と Vandana Shiva は、家父長的資本主義、植民地主義的開発、女性の無償労働、生態破壊を一つの政治経済として捉え、生命中心のサブシステンス視点を提示する。
03
書籍 · 2007年1月
ろくろを回し、土地を耕す
Turning the Pot, Tilling the Land: Dignity of Labour in Our TimesKancha Ilaiah若い読者に向けたカンチャ・イライアの文章とドゥルガバイ・ヴィヤムの絵が、カーストによって低く扱われた労働知を問い直す。
04
書籍 · 2018年11月
十億のブラック・アンソロポセン、あるいはなし
A Billion Black Anthropocenes or NoneKathryn Yusoff奴隷制、採掘、人種化された地質的暴力を消してしまう Anthropocene の抽象的な「人類」語りを批判する。Kathryn Yusoff の短くも難解な本は、人間活動が惑星規模の地質学的力になったとする「人新世」の起源物語に介入する。
05
書籍 · 2022年1月
新鮮なバナナの葉
Fresh Banana LeavesJessica HernandezMaya Ch’orti’ と Binnizá の家族史、環境科学、地域事例を結び、生態植民地主義を批判して先住民科学から土地管理を再考する。
06
書籍 · 2021年1月
世界の終わりのキノコ
The Mushroom at the End of the WorldAnna Lowenhaupt Tsingアンナ・ツィンがマツタケの生態と供給網をたどり、戦争、移住、資本が不安定な生計をどう形づくるのか、損なわれた景観で生命がどう続くのかを考察する。
07
書籍 · 2015年10月
石油ではなく土壌を
Soil Not OilVandana ShivaVandana Shivaは工業農業、化石燃料依存、気候危機を結び、小農、種子多様性、食料主権から生態学的転換の決定権と労働責任を問う。
08
書籍 · 2020年11月
溺れないもの
Undrowned: Black Feminist Lessons from Marine MammalsAlexis Pauline Gumbsアレクシス・ポーリーン・ガムズが海洋哺乳類との関係からブラック・フェミニズムを再考し、呼吸、傾聴、記憶、休息を集団的な生存の実践として描く。
09
書籍 · 2019年12月
気候正義
Climate JusticeMary Robinsonウガンダの農民、ミシシッピの地域オーガナイザー、太平洋島嶼国の住民の物語から、気候危機をジェンダー、貧困、移住、労働、人権の問題として捉え直す。
10
書籍 · 2020年4月
気候不安のフィールドガイド
A Field Guide to Climate AnxietySarah Jaquette Ray気候世代に向けて、不安、燃え尽き、行動、レジリエンスを論じ、感情労働を気候教育に組み込む。Sarah Jaquette Ray が『気候不安のフィールドガイド』を書いた背景には、気候科学を理解しながらも、住み続けられる未来を想像できなくなった環境学の学生たちとの長年の授業経験がある。
映画2
動画2

動画 · 2021年11月
気候アクションの最前線に立つ女性たち
Farwiza Farhanインドネシアの環境保全活動家Farwiza Farhanが、アチェの女性レンジャーたちが地域の知識、共同パトロール、コミュニティ林業の許可を活用して森と水源を守る実践を紹介する。
02
動画 · 2018年4月
Standing Rock の抵抗と先住民の権利をめぐる闘い
Tara HouskaAnishinaabe の弁護士でオーガナイザーの Tara Houska は、Standing Rock でのパイプラインへの抵抗を、先住民の土地、主権、文化の継続をめぐる長い歴史に位置づけ、環境闘争を一度きりの抗議に縮める語りに異議を唱える。
ポッドキャスト1
記事10
記事 · 2010年1月
身体と土地から考える共同体フェミニズム
Lorena Cabnalカブナルは土地の防衛と身体の自己決定を結び、共同体内部の家父長制、強制的異性愛、祖先の伝統の理想化を同時に批判する。
02記事 · 2011年8月
食料主権――開発の代替案と女性の権利をめぐる議論
Pamela CaroPamela Caroは農民運動とフェミニズムから食料主権を論じる。土地や種子を誰が決めるのか、農村女性の労働を認めながら性別役割を固定しないにはどうすればよいのかを問う。
03記事 · 2015年12月
手伝いではなく労働:アグロエコロジーの女性たち
Vanessa Schottz, Maitê Maronhas, Elisabeth Cardosoブラジルの実践者は、女性の農作業を可視化することが、家事責任、融資での評価、集団的活動の時間の変化につながるかを問う。
04記事 · 2020年1月
女性の土地と生産資源に関する権利の実現
UN Women;国連人権高等弁務官事務所女性が土地やその他の生産資源を所有・利用・管理・相続する権利をめぐり、国連ガイドが示す法的基準と実践上の障壁を考える。
05記事 · 2023年4月
アグリフードシステムにおける女性の状況――生産から消費までのジェンダー構造
国際連合食糧農業機関FAO報告書は、生産・加工・流通・消費を通じて女性の労働を追い、資源、賃金、ケア、危機の不平等を結びつける。
06記事 · 2025年5月
ラテンアメリカ・カリブ海地域の女性とアグリフードシステム
国連食糧農業機関FAOの2025年地域報告を手がかりに、農業・食料分野で女性の参加が増えても、資源、ケア、意思決定の格差が残る仕組みを考える。
07記事 · 2024年3月
地中海・黒海の漁業における女性
Eugenia Merayo;Valeriia Vakhitova;Anna CarlsonFAOとGFCMの研究から、漁業のバリューチェーン全体で女性が担う仕事と、公式データの欠落が排除を再生産する仕組みを考える。
08記事 · 2010年1月
農業・農村雇用のジェンダー側面
FAO; IFAD; ILOFAO、IFAD、ILOの共同報告を通じて、農場内外の有償・無償労働をジェンダーがどう形づくるか、ディーセントな農村雇用に何が必要かを考える。
09記事 · 2015年11月
黒人女性の行進宣言(2015年)
Marcha das Mulheres Negrasブラジルの黒人女性の行進がBem Viverを、生命、安全、土地、労働、メディアの権力をめぐる要求へ結びます。平等の内容と実行を誰が決めるのかを問う宣言です。
10記事 · 1993年12月
サパティスタ女性革命法
Ejército Zapatista de Liberación Nacional (EZLN)政治参加と身体・家庭の自己決定を結びつける十か条。女性の権利を革命後の恩恵にせず、運動自身が変わるための要求として読む。
論文5
論文 · 1992年4月
ジェンダーと環境をめぐる論争
The Gender and Environment Debate: Lessons from IndiaBina Agarwalビナ・アガルワルはインド農村の経験から、土地・森林・水・労働・意思決定権の不均等な配分を分析し、女性と自然の関係を生得的なものとする説明を問い直す。
02論文 · 2009年10月
なおも残る異質な沈黙:気候変動に関するフェミニスト社会研究の必要性
A Stranger Silence Still: The Need for Feminist Social Research on Climate ChangeSherilyn MacGregorSherilyn MacGregor は、気候変動を性別中立の技術課題として扱う限界を示し、語られ方、日常生活、政策対応を結ぶフェミニスト社会研究を提起する。
03論文 · 2011年6月
美徳と脆弱性:女性、ジェンダー、気候変動をめぐる言説
Virtue and Vulnerability: Discourses on Women, Gender and Climate ChangeSeema Arora-JonssonArora-Jonssonはジェンダーと気候変動の研究を検討し、女性をより脆弱な存在、またはより有徳な環境保護の主体とする二つの主張を問い直す。
04論文 · 2023年1月
土地なし農民運動の女性:労働とアグロエコロジー
Histórias de vida de mulheres Sem Terra: divisão sexual do trabalho na agroecologiaCristiane Coradin, Sônia Fátima Schwendlerブラジル・パラナ州の口述史は、生態学的農業による所得と女性の自律性の拡大が、家事負担や政治参加の時間とどう交差するかを問う。
05論文 · 2018年7月
気候変動と女性の健康:影響と政策の方向性
Climate change and women's health: Impacts and policy directionsCecilia Sorensen, Virginia Murray, Jay Lemery & John Balbus2018年の政策レビュー。労働分担、貧困、生理的条件が気候関連の健康リスクをどう変え、保健・ジェンダー・エネルギー・防災政策をどう結べるかを論じる。


